授乳期乳腺炎の前段階、「clogged duct(乳管の詰まり)」の原因と対処方法

こんにちは。タイトルが難しそうですみません。

今日は授乳期乳腺炎になりかけた時のお話、乳管の詰まりの原因と対処を調べてみましたのでまとめます。

私の乳腺炎のなりかけエピソード

私はこれまで数カ月x3度の授乳期間のうち、次女のとき1回、そして今回3女のときに乳管が詰まり、しこりを触れ、乳腺炎になりかけました。

症状は乳房の外側のしこりと熱感があり、触れるだけで痛い。そして張るたびに症状が増す。私の乳腺も気持ちもいっぱいいっぱいで、「無駄に焦る」んですよね。何なら寒気と関節の痛みを感じてきたぞ、やばいやばい出さなければ。ますます焦る。

でも焦ることはありません。ひたすら吸ってもらう。これしかないんです。以上。

助産師訪問の体験談と感想

最近ではどの自治体でも産後ケア事業にものすごく力を入れていて、助産師外来や訪問を格安で受けられます。

私も今回、乳腺炎になりかけたので、助産師さん介入で改善が図れるか?を検証すべく依頼してみました。自治体を通すのですぐ来てくれないと予想するも、電話した翌日に来てくれることに。

助産師訪問を体験して、リラックス効果は期待できるが乳管の詰まりの改善効果は薄い、と感じました。

助産師さんは一生懸命乳房マッサージをしてくれました。さすがプロ、あまり痛くない。ですが、残念ながらマッサージ後にしこりは取れませんでした。しぶとい。

さらに助産師さんのなかには消炎効果があるといってキャベツやジャガイモ、サトイモシップといった「民間療法」的なことを進める人も多いです。でも、消炎なら普通の湿布で何が悪い?と、ガチガチに西洋医学教育を受けた私は感じるのです。その時来てくれた助産師さんはサトイモシップをその場で作ってくれ、たしかにひんやりして気持ち良いのですが、なんせ肌が弱めなので、痒みが、、。助産師さん帰宅するやいなや、外してしまいました、、ゴメンナサイ!

その後は背中のマッサージ。凝ってますね。これはキモチイイ!

授乳指導もしてくれました。態勢や赤ちゃんがラッチオン(乳頭が隠れるまで口いっぱいに含む)できているかチェック。ついでに赤ちゃんの体重も量ってくれました。

感じの良い助産師さんで、世間話に花が咲き、リフレッシュできました。

ということで、助産師訪問はメリットばっかり、だけど乳管の詰まり・乳腺炎の対処法としては微妙かなと感じました。

授乳期乳腺炎の前段階「clogged duct (乳管の詰まり)」

乳腺炎は授乳期と非授乳期に分けられます。非授乳期では、「Periductal mastitis 乳管周囲炎」「Granulomatous mastitis 肉芽腫性乳腺炎」がありますが、ここでは割愛します。

授乳期乳腺炎は、その原因が乳汁のうっ滞なので、日本では「うっ滞性乳腺炎」とも言われますが、欧米ではあまりなじみのない医学用語のようです。授乳期乳腺炎ではその前段階として「clogged duct (乳管の詰まり)」がありますが、良い日本語はありません。ここでは単に”乳管の詰まり”とします。

授乳期乳腺炎は、うっ滞した部分の乳腺組織が細菌感染を来し発熱等の全身症状が出たときとされています。実際に乳汁から細菌が同定されることもあるようです。さらにひどくなると「化膿性乳腺炎」といわれる状態になります。

授乳期乳腺炎の前段階である「clogged duct」に良い日本語は無いことからも、この乳管の詰まりの時点で乳腺炎と言われることもあるかと思います。私もまさにclogged ductの状態でした。実際に何かが詰まっているわけではなく、相対的に乳管が狭くなって乳汁が滞っている状態なので、何もしなくても24-48時間で改善が望めます。ただしうっ滞が悪化すると、本格的な授乳期乳腺炎となることも。この乳管の詰まり、の段階で早めに気づき、後述する「消炎と頻回授乳」を実践しましょう。

原因は「脂っこいもの」じゃない!自分を責めないで

授乳期乳腺炎を引き起こす乳管の詰まりの原因には、浅吸いや完全に乳腺が空になっていないこと、乳管の局所的な炎症などです。日本では昔から「脂っこいもの」とくに動物性油脂は原因とされていますが、それは根拠がありません。「最近脂っこいものを食べましたか」と言われると、そうでもなくても数日前に食べたケーキが思い出されるものなんです!占いと一緒です。あなたが乳腺炎になったとしても、それはあなたが食べたものが原因ではないので、どうかケーキを食べた自分を責めないでくださいね。

逆に、栄養不足やストレスが原因になると報告されてますので、寧ろ好きなものを食べてリラックスした方が良いです。

乳房マッサージはほどほどに、、、

助産師さんの中には「神の手」をもつ方もいるようで、本当に滞りが取れた!とご経験の方もいるかもしれません。ですが助産師さんの皆が皆「神の手」をもつわけではありません。マッサージというのは刺激になるので、ただでさえうっ滞し炎症を起こしつつある乳管には負担です。

マッサージで刺激→炎症を起こし→民間療法の何とか湿布で消炎

って、矛盾があると思いませんか・・?

乳管の詰まりの対処法:消炎と頻回授乳

消炎:NSAIDやアセトアミノフェンといった消炎鎮痛剤は、外用でも内服でも母乳移行性は低く、授乳中でも内服可能です。自家製の何とか湿布を張るよりも、市販の湿布を貼りましょう。私は授乳の合間、患部にサロンパスを小さく切って張ってました。

頻回授乳:無駄な負荷をかけず、赤ちゃんに吸ってもらうのが一番です。搾乳機は陰圧をかけるので、乳管が詰まった時はやめましょう。

授乳期乳腺炎になってしまったら

例え運悪く授乳期乳腺炎になってしまったとしても、消炎と頻回授乳で多くの場合改善します。

さらに悪化することは稀ですが、膿が溜まると「化膿性乳腺炎」となると、抗菌薬が効きにくいので切開排膿をすることも。

全身症状が数日続き、膿が溜まった感じがある場合は、一度病院を受診しましょう。

まとめ

以上、授乳期乳腺炎の前段階としての乳管の詰まり、についてまとめました。ポイントは消炎と頻回授乳です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

参考文献

Blackmon MM, Nguyen H, Mukherji P. Acute Mastitis. [Updated 2023 Jul 21]. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2024 Jan-. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK557782/


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です